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【豆知識】耐震構造
耐震基準は、建物が地震の震動に耐え得る能力を定めるもので、関東大震災の次の年の1924年(大正13年)に、世界に先駆けて日本で施行された。
1981年(昭和56年)に耐震基準が大きく改正され、新耐震基準が誕生した。新基準では、地震による建物の倒壊を防ぐだけではなく、建物内の人間の安全を確保することに主眼(主な目的)がおかれた。旧基準の震度5程度の地震に耐えうる建物との規定は、新基準では『震度6強以上の地震で倒れない建物』と変わった。
墨会館は柱と梁を組み合わせて構造を支える仕組みである。その柱と梁で建物を支えるが、建物の強度を高めるために柱と柱の間に筋交い(鉄骨ブレース)で補強材を入れて、耐久性や耐震性をさらに高めている。
耐震補強の主な工法タイプ
・ブレース
既存RC建物のフレームの中に鉄骨ブレース等を追加することで、建物の耐震性能を上昇させる補強
・耐震壁
既存建物のオープンフレーム内に新たに耐震壁を増設することで、建物の耐震性能を上昇させる補強

・アウトフレーム
既存建物の外側から新たにフレームを追加することで、建物の耐震性能を上昇させる補強

・柱等補強(巻き)
既存の躯体の外側に鋼板、炭素繊維等を巻くことで、建物の耐震性能を上昇させる補強

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【用語説明】不燃化
不燃化とは、火災の延焼を防ぐためや火災の際、利用者が安全に避難できるよう避難路の安全性を確保するため、材(建物の材料)を変えたり、化学処理を施したりして、建物を燃えにくくすること。
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【用語説明】ルーバー
ルーバー(Louver)は、羽板と呼ばれる細長い板を、枠組みに隙間をあけて平行に組んだもの。
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【用語説明】プラスチックタイル(プラスタイル)
プラスチック樹脂を原料とする床材のことをいう。
設計図はプラスタイルと記載されている。プラスタイルは
三星アスファルトタイル(株)(当時)の商品。主に塩化ビニル樹脂などの硬質な素材を使い、30センチ四方のタイルのような薄い板状に成型加工した床材で、「Pタイル」と呼ぶことが多い。
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【用語説明】ピロティ
ピロティとは、2階以上の建物の1階部分に壁を設けず、柱だけの空間にしている形式。
駐車場や通路、広場などの屋外空間として使用されていることが多い。もともとはル・コルビュジエという近代建築の巨匠が生んだ建築形式であり、近代建築の幕開けとともに、ピロティ形式は多くの建物に採用されてきた。