墨会館について

 墨会館は、丹下健三氏の設計により昭和32年に完成した建物です。
 建物は、鉄筋コンクリート造平屋一部2階建で、敷地面積3398.82㎡、建築面積2209.93㎡、延床面積2525.14㎡(建築基準法上)、台形敷地北辺の2階事務所棟と南半の平屋ホール棟が玄関車寄せで接続されており、1階外壁は非構造体で上端にスリットを入れて採光としています。ダブルビームの大梁、打放しのコンクリート等、丹下健三氏の初期の作品の特徴をうかがうことができます。
  とくに建物の柱、壁はコンクリートのままで、よく見るとそこには木の木目、節のあとが綺麗に出されています。
 このため、木型は寸分の狂いもなく正確につくられ、コンクリートの流し込みも途中で切らすことなく一気に行なうという難しい工法がとられました。
  平成20年7月8日に登録有形文化財の登録を経て一宮市が取得するまで、艶金興業の本社として利用されており、あくまで一般的な改修と補修工事を経てきましたが、竣工後60年以上が経過しており建物を保存・活用していくために老朽化への対応が必要不可欠となってきました。
 また、墨会館のある小信中島地区には公民館活動の拠点となる施設が無く、公民館の設置が強く望まれていたことから、建築文化財としての価値の保存、建物の機能の再生・転用を図ることを目的に改修が行われました。
 平成26年11月からは、地域のランドマーク・街づくりの核となる「小信中島公民館」「尾西生涯学習センター墨会館」として地域の皆さんに利用されています。
  墨会館は、わが国建築史に大きな足跡を残し、現代建築に多大な影響を与えた丹下健三氏の作品としては、愛知県内で唯一の貴重な建物です。

墨会館パンフレット No.1

墨会館パンフレット No.2

配置図(立体2)

外観
外観